趣味のはなし。

最近の興味あること。備忘録。

「変身」

又吉さんの「第2図書係補佐」読みました。

第2図書係補佐 (幻冬舎よしもと文庫)

第2図書係補佐 (幻冬舎よしもと文庫)

とても素晴らしかった。私もこんな文章書きたいなあ。
これから何度もこの本を開きたいと思います。

ここで紹介されている本を読んでみたいと思い、手始めにカフカの「変身」を読みました。

変身 (新潮文庫)

変身 (新潮文庫)

そしてそのあと、もう少しカフカを知ってみようと思いカフカについて書かれた「絶望名人カフカの人生論」を読んでみました。

絶望名人カフカの人生論 (新潮文庫)

絶望名人カフカの人生論 (新潮文庫)

読んでみるとなるほど「変身」の主人公ザムザとカフカ自身重なる部分が多いのだと分かりました。

働きたくないと感じてる部分や、父親をよく思ってないところとか(虫になったサムザは父親が投げたリンゴで致命傷をうけてしまうことから)。

「変身」を読んですぐは意味がわからなかったのですが、ジワジワと恐ろしく思うようになりました。
それは、虫になったことよりも両親や妹の態度の変化にです。

なにも救われることなく最後をむかえるこの話。
でも、だからこそ私はこの作品が好きだと感じるのです。


明るいとは言えないこの小説。
カフカの背景を知るとより愛おしくなりました。

ネガティブもたまには人を救うこともあるんだなあ。
そして、文学の道に走る人はやはり変わり者がおおいのだ、と実感しました。

朝井リョウ×藤井隆×ヒャダイン

「ボクらの時代」見ました。

ずっとラジオで声だけ聞いてたから、動いてしゃべる朝井さんが新鮮でした。

このコラボとてもよかった。
30分番組なのがもったいない。

フルで見たいよ。

ちゃんと資料用意してるのも流石だと思ったし、話してる内容もさすが朝井さん節炸裂でした。

私の大好きな朝井リョウだ。


ラジオで言ってたんですが、憧れの藤井隆さんに会えて、その後ろ姿にホクロみつけて「こんなところにホクロあるんですね」って話しかける朝井リョウ
き、きもちわるすぎる!!!!いいね!!!!いいよーーーー!!!!(大興奮)

まだ26歳なのに、死んでから逆算して考えてるところ凄いなあ。

これだけいろんなことを考えてるからこそ小説家でいられるのかな。

あまりに複雑に考えすぎて、早くに死んでしまうんじゃないかと本気でちょっと心配になりました。


はたから見たら、若くして成功されてて、羨ましいなって思ってしまうのですが、話してる内容聞いてたらその思いはどっかいっちゃうね。

どんどん彼のペースに惹き込まれちゃうし、どんどん好きになっちゃう作家さんです。


私が大好きだったマシューの話も出てきたのも嬉しかった。

人生はトータル

朝井リョウ加藤千恵のANN0 2015.6.5分より)
私ってどっちかというと考えるタイプだからー。引越しに関してもいろいろ考えてて・・・

兼業生活じゃなくなって1ヶ月くらい経つんですけど、まず思ったのは、一言で言うと寿命が縮まると思ったんですよ。
不慮の事故に合う可能性が高くなったなと思って。
毎日、作家の仕事僕すごく好きなんです。書くのも好きだし読むのも好きだし。けっこう1日の間で好きなことをやってる時間がすごい多いんですよ。ほんと好きなことだけやって寝たりとかも平気でやってるんです、こんななりして。
好きなことだけやって生きてる、そんな日もあるんですよ。

でも人生はトータルだから。ぜったいにそのツケが来るんですね。

この考え方が朝井さんぽくて好き(笑)

以前おっしゃってた、箱根駅伝見れない病とセットで反芻したいやつだわ。

「『YUKIは素晴らしい、でも私は醜い』という往復運動こそYUKIの本質」

というのは漫画家の久保ミツロウ先生のお言葉ですが*1
…実にわかりすぎてだねえ、つらたんね。



好きな人憧れな人が凄ければ凄いほどこの往復運動は激しくなっちゃう。
尊敬する気持ちと、比べて私は・・・っていう気持ち。

そうならないためにも自分をもっとよくしないといけないのかもな。

まずは、自分を好きになるところから始めるかな。

*1:詳しくはこちらの記事を参照⇒妄想が妄想を呼ぶ『久保みねヒャダこじらせナイト』というテレビごっこ http://news.livedoor.com/article/detail/8687706/

ぼやき

「嫉妬」するということは、裏を返せばそれは自分がやりたいことだということ。

なにか新しいものを手にいれるためには、捨てる勇気も必要。

変わるためにはいつもとちがう行動をしてみること。

理想の自分を演じてみること。

ダヴィンチ6月号

(※「武道館」ネタバレに触れます。)

ダヴィンチの朝井さん特集読みました。

まず、たかみなさんとの対談。
そういえば、「武道館」の中には明らかにAKBのことに触れたものだと分かる内容がチラチラと出てきますが(峯岸さんの件や、握手会襲撃事件のこと)それを現役のAKBが読み、作者と対談って面白いと思いました。

高橋:後半はあまりに自分たちの真髄すぎて、本を持つ手が途中でプルプルしてきました。「なんでこんなにアイドルの心の中が分かるんだろう?」と思ったんです。「えっ、アイドルされてますか?」って。

高橋:だってホントに、読んでいて途中で苦しくなったんです。私たちが言えないところが全部、この中に書いてあるんです。

アイドルが読んだアイドル小説の感想はやっぱり生々しさがあるなと思いました。

朝井さんが、たかみなさんと横山由衣さんがラジオで話してた内容について話されてましたが、〝自分がいない状態が普通になるべき”というのは「武道館」のラストに通じるものを感じました。

高橋:メンバーはどこかで、女の子ファンを増やさなきゃって思ってるんです。自分の考えに近い人たちを増やしていかないと、自分が崩れていく。
(略)
朝井:アイドルがアイドルのまま、人間としても生きられる時代が来るべきだと強く思います。

女子アイドルたちを見る目が変わっちゃう気がしました。それは「武道館」を読んだ後にも感じたことだったのですが。
お2人の対談を読んでまた読み直したいと思ったし、次読んだらさらに愛子たちメンバーを守ってあげたいと思うんじゃないかと感じました。


登場人物の〈るりか〉をたかみなが「珠里奈のイメージが重なる感じがした」と言っていてなるほどと思いました。

高橋:監督から「恋愛してみたい?」みたいな質問をされて、珠里奈は別にいいですって。「恋愛は大人になればいつでもできるけど、アイドルはいましかできないんで」。それを観た時に私は「若いな」って思ったんです。そっか、まだ自分の知らない感情に出会ったことがないんだなって。

高橋:自分の知らない感情に出会って、びっくりしての連続じゃないですか、人生って。そういう感情といざ直面してしまった時に、本の中で〈愛子〉はああいう選択をしたけれども自分だったらどういう行動をするのか。いろいろ考えちゃいました。

高橋:アイドル人生って、とてもはかないじゃないですか。ファンの方から「ずっとアイドルでいてほしい」と言われても、ずっとはいられないと思うんです。

高橋:男性アイドルはうらやましいなって思います(苦笑)

高橋:初期メンバーの間で、「いつかSMAPさんみたいになりたいね」と話していたんです。でも今や初期メンバーは3人になって、じきに私も卒業する。結局、そうはなれなかった。

朝井さんもおっしゃってますが、こんなに若いのにその先が見えてるのはすごいなと思いました。いやおうなしに考えざるを得ないのかもしれませんが。
女子アイドルの世界は厳しいですね。
「アイドルじゃなくなったあとも生きていかなきゃいけない」そしてその長さはアイドル時代よりもはるかに長い。

朝井さんがこの小説を書こうと思ったきっかけの曲、シャイニングバタフライ。MV見たのですが、10代20代前半よりも、いろいろ経験したあとの方が深みが増すんだと感じました。


ドリーム モーニング娘。 『シャイニング バタフライ』 (MV) - YouTube


私もドリームAKB見てみたいと思いました。とても夢があると思います。

「選んだ道を正解にするしかない」。現在進行形でしかも最前線でアイドルをされてるたかみなさんの感想だからこそとてもリアルでヒヤヒヤ、ヒリヒリしびれました。

そして乃木坂の子たちの感想。
とくに高山さんの言った「この物語はもし〈るりか〉が主人公だったら、〈愛子〉の方が悪なんですよ」という言葉。

これは言われるまで私はまったく気づいてませんでした。
さすが現役でアイドルされてる方の意見。

どうしても〈愛子〉目線で語られてるから愛子が正義でなにも疑うことがなかったのだけど、アイドルとしてはもちろん〈るりか〉が正しいんですよね。(まあ、なにが正しいのかという定義も曖昧ではありますが)

でも、主人公が〈愛子〉だからこそ、アイドルという非日常の世界なのになぜか身近な感じがしたのかもしれないですね。
アイドルだって人間。恋もするしセックスもする。〈るりか〉もいつかそういうことに気付く日がやって来るんですね。


それから石田衣良×朝井リョウ×柚木麻子ハロプロ雑談会。
さすが作家さんたち。トークがとても魅力的でした。

「さっぱりスイーツ」がもうぜんぜん頭から離れなくなっちゃいました(笑)

視点もさすが面白い。延々このトークを聞いていたいと思いました。
それと同時にこんなにも作家陣を熱くさせるつんく♂さんの歌詞にもっと触れてみたいと思うようになりました。

武道館

武道館

ゆうこりん先生と生徒みおりん

なにげなくみていたしくじり先生に小倉優子さんが出ていて、そこでハッキリとウソのキャラを演じていたことで苦しんでいたと告白されていました。

あんなにも可愛い笑顔の裏でたくさん悩まれていたんですね。


しかも本人はそのキャラをやめたいとおもってたのにもかかわらず事務所サイドは「まだイケる!まだイケる!」と押していたそうで。

その結果彼女はボロボロになっていったそうです。


でも、いまは解放されてとても清々しい表情されてましたね。

ふっきれたようで良かったです。


ただ、事務所はあらたなキャラ戦略として「クレイジー小倉」を提示してきたようですが・・・

事務所、もうやめたげて(笑)


そしてゆうこりんが発した名言「ウソのキャラは特急券」ぐっときました。
一見、キャラを持ってた方が分かりやすく売れると思うのですが、そのキャラのせいで矛盾がおき、そのキャラに押しつぶされることになるんですね。
経験者のお言葉、重かったです。

そしてフレッシュレモンみおりんに対するゆうこりんがアイドルの先輩として、そしてキャラ持つタレントの先輩としても本気で心配してる姿がとってもお姉ちゃんだったし、ふたりともとっても可愛かったです。

ゆうこりんお母さんになってさらに綺麗になってたなあ。
子供がいるから、よけい素の自分でいようと思うようになったんですね。
表情も話す内容もぐっと大人で「こりん星」とか言ってた時代は遥か遠い昔でした。

それから、ノブコブの吉村さん。
かつて破天荒キャラだった彼はみおりん以上にゆうこりんの言葉が響いてるようでした。