趣味のはなし。

Twitter民。140字では語りきれないことをはきだしてます。

「母と暮らせば」観てきました

母が亡くなって、2回ほど母が夢に出てきました。夢枕というのかな。
1回目の夢の中で母は、自分が死んだことに気づいてなくて普通に家で過ごしてて、しかも20年くらい前の元気な母の姿で。父とも普通に話してる日常の風景。
でも自分の祭壇を見て気づいちゃうんだよね。自分が死んだことに。

わたしは必死に母に気づかれないようにと配慮してたのに。
あのときそうか…って顔した母の顔。(いやわたしの夢の話なんだけどね。

わたしは小さい母を抱きしめて必死でごめんねごめんねって夢の中で泣いていた。
「お母さんはもっと生きたかった?」

あのときの私は、もしかしたら助けられる方法が他にあったのかもしれないという後悔で苦しんでました。


2回目に夢に出た母は自分が死んだことを理解して出てきました。
「またこうやって夢に出てきてね」というわたしの言葉にまったく返事はなかったです。


「母と暮らせば」観てきました。
正直な話、あらすじも知らなかったので息子と母の物語で有名な監督さんが撮った作品でしょ?くらいの情報量でまったく興味を持ってなかったです。

でも母が亡くなって、それがまだわたしの中でピンときてなかったときに予告でみた「お前はもうこの世のひとではなかやろ」って言葉。
ずしりときました。
そうだ、母に語りかけてももう返事が帰ってくることは一生ないのだと。

hahatokuraseba.jp

映画はそれはもうただただ優しい物語でした。

戦争がテーマのドラマで伝えたいことは“戦争の悲惨さ”だったのかもしれませんが、わたしはそれだけじゃなく、残されたものがどう生きていくかも教えてもらった気がします。

二宮和也は理想の息子ですね。見た人はきっとこんな息子が欲しいって思ったことでしょう。
最終的にこれは吉永小百合二宮和也によるラブストーリーではないかと思っちゃうくらいに伸子と浩二に親子以上の愛を感じました。

映画「父と暮らせば」で主人公の宮沢りえが「生きてることが申し訳ない」と言った台詞が印象的でしたが、劇中で町子もまったく同じ台詞を言ってましたね。
生き残ったものも生きることで苦しんでいる。戦争ってほんとうになにも産まないなと思いました。

それから、最後に伸子が大切に思ってたはずの町子の幸せに嫉妬してしまうシーン。とても悲しかったです。
本来の伸子だったら絶対に口にしないであろう言葉。それを言わせてしまうのが“戦争”なんですね。


ただ、あの終わり方だと、町子はずっと自分を責めながら生きていくことになるんじゃないかととても心配になりました。きっとそのための黒田さんなのだろうけど。


わたしが個人的に好きだったシーンは、浩二が本当は伸子に町子のことを聞きたいけど聞けず、遠まわしに聞き出そうとしたのになかなか引き出せずイライラしてるシーン。
あと、上海のおじさんが母親を口説いてるところではたき持ってやっつけようとしてるところ、とても可愛らしい息子でした。

吉永小百合さんは、原爆あとの長崎の様子を息子に教えるシーン。とても迫力があってさすがだと思ったし、ドキっとさせられました。
笑顔を絶やさず、あたたかく力強い母親。息子が母親に会いに来たのもわかる気がします。

上海のおじさんも近所の富江さんも、まわりの人間が愛おしいひとたちばかりで、戦争の映画ですが悲劇というより、あたたかくやさしい気持ちになれたのはそういうところかなと思いました。

黒木華さんはとてもかわいらしい女優さんですね。華さん演じる町子は愛らしく、健気で、献身的で。
画面にうつるたびに明るく微笑ましい気持ちになりました。


町子がいるときにはいっさいあらわれない浩二。
それがよけい切なかったです。

いつも明るくおしゃべりな浩二がレコードに涙を落とすところも…。


“戦争”が奪っていったもの。
そしてそれを経験して生きていくもの。

あのとき感じた多くのことたちを今度は戦争を知らない私たちが受け継ぎ、次の世代に伝えていかないといけないんだなと思いました。

あの一瞬で夢も未来もすべて奪われた。
そういう人たちが大勢いたこと。わたしたちは忘れてはいけないですね。