ダヴィンチ6月号
(※「武道館」ネタバレに触れます。)
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
- 発売日: 2015/05/07
- メディア: 雑誌
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ダヴィンチの朝井さん特集読みました。
まず、たかみなさんとの対談。
そういえば、「武道館」の中には明らかにAKBのことに触れたものだと分かる内容がチラチラと出てきますが(峯岸さんの件や、握手会襲撃事件のこと)それを現役のAKBが読み、作者と対談って面白いと思いました。
高橋:後半はあまりに自分たちの真髄すぎて、本を持つ手が途中でプルプルしてきました。「なんでこんなにアイドルの心の中が分かるんだろう?」と思ったんです。「えっ、アイドルされてますか?」って。
高橋:だってホントに、読んでいて途中で苦しくなったんです。私たちが言えないところが全部、この中に書いてあるんです。
アイドルが読んだアイドル小説の感想はやっぱり生々しさがあるなと思いました。
朝井さんが、たかみなさんと横山由衣さんがラジオで話してた内容について話されてましたが、〝自分がいない状態が普通になるべき”というのは「武道館」のラストに通じるものを感じました。
高橋:メンバーはどこかで、女の子ファンを増やさなきゃって思ってるんです。自分の考えに近い人たちを増やしていかないと、自分が崩れていく。
(略)
朝井:アイドルがアイドルのまま、人間としても生きられる時代が来るべきだと強く思います。
女子アイドルたちを見る目が変わっちゃう気がしました。それは「武道館」を読んだ後にも感じたことだったのですが。
お2人の対談を読んでまた読み直したいと思ったし、次読んだらさらに愛子たちメンバーを守ってあげたいと思うんじゃないかと感じました。
登場人物の〈るりか〉をたかみなが「珠里奈のイメージが重なる感じがした」と言っていてなるほどと思いました。
高橋:監督から「恋愛してみたい?」みたいな質問をされて、珠里奈は別にいいですって。「恋愛は大人になればいつでもできるけど、アイドルはいましかできないんで」。それを観た時に私は「若いな」って思ったんです。そっか、まだ自分の知らない感情に出会ったことがないんだなって。
高橋:自分の知らない感情に出会って、びっくりしての連続じゃないですか、人生って。そういう感情といざ直面してしまった時に、本の中で〈愛子〉はああいう選択をしたけれども自分だったらどういう行動をするのか。いろいろ考えちゃいました。
高橋:アイドル人生って、とてもはかないじゃないですか。ファンの方から「ずっとアイドルでいてほしい」と言われても、ずっとはいられないと思うんです。
高橋:男性アイドルはうらやましいなって思います(苦笑)
高橋:初期メンバーの間で、「いつかSMAPさんみたいになりたいね」と話していたんです。でも今や初期メンバーは3人になって、じきに私も卒業する。結局、そうはなれなかった。
朝井さんもおっしゃってますが、こんなに若いのにその先が見えてるのはすごいなと思いました。いやおうなしに考えざるを得ないのかもしれませんが。
女子アイドルの世界は厳しいですね。
「アイドルじゃなくなったあとも生きていかなきゃいけない」そしてその長さはアイドル時代よりもはるかに長い。
朝井さんがこの小説を書こうと思ったきっかけの曲、シャイニングバタフライ。MV見たのですが、10代20代前半よりも、いろいろ経験したあとの方が深みが増すんだと感じました。
ドリーム モーニング娘。 『シャイニング バタフライ』 (MV) - YouTube
私もドリームAKB見てみたいと思いました。とても夢があると思います。
「選んだ道を正解にするしかない」。現在進行形でしかも最前線でアイドルをされてるたかみなさんの感想だからこそとてもリアルでヒヤヒヤ、ヒリヒリしびれました。
そして乃木坂の子たちの感想。
とくに高山さんの言った「この物語はもし〈るりか〉が主人公だったら、〈愛子〉の方が悪なんですよ」という言葉。
これは言われるまで私はまったく気づいてませんでした。
さすが現役でアイドルされてる方の意見。
どうしても〈愛子〉目線で語られてるから愛子が正義でなにも疑うことがなかったのだけど、アイドルとしてはもちろん〈るりか〉が正しいんですよね。(まあ、なにが正しいのかという定義も曖昧ではありますが)
でも、主人公が〈愛子〉だからこそ、アイドルという非日常の世界なのになぜか身近な感じがしたのかもしれないですね。
アイドルだって人間。恋もするしセックスもする。〈るりか〉もいつかそういうことに気付く日がやって来るんですね。
それから石田衣良×朝井リョウ×柚木麻子のハロプロ雑談会。
さすが作家さんたち。トークがとても魅力的でした。
「さっぱりスイーツ」がもうぜんぜん頭から離れなくなっちゃいました(笑)
視点もさすが面白い。延々このトークを聞いていたいと思いました。
それと同時にこんなにも作家陣を熱くさせるつんく♂さんの歌詞にもっと触れてみたいと思うようになりました。
- 作者: 朝井リョウ
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/04/24
- メディア: 単行本
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